頭蓋と仙骨の間に膜があって
その中は脳脊髄液で満たされている。
その流れを整えるために
非常に軽いタッチでアプローチ
していくと書きました。
整った先に
脳脊髄液の流れが整うことで
どういったことが期待できるのか。
脳脊髄液の働きには脳や神経に対して
栄養を運ぶというものがありますし、
頭蓋の動きが整うことで神経に対して
物理的な影響もあるかもしれません。
自律神経のバランスが整えば、
様々なストレスに対処しやすくなります。
臓器の働きも調整していますので
内臓への働きも期待できます。
そして、頭蓋も仙骨も骨です。
骨には色々な筋肉が付着しています。
また、ある筋肉は別の筋肉とつながりを
もっているので筋肉の緊張からくる
不調にも効果があります。
実際に施術中に身体が緩んでいると
感じることは多いです。
200mlにも満たない脳脊髄液。
非常に微細な頭蓋の動き。
小さな変化ではありますが、
その影響は多岐にわたります。
歴史
そんなクラニオセイクラルワークですが、
どのような歴史があるのでしょうか。
脳脊髄液の存在
17世紀にはイタリアの研究者が
脳を覆う膜の動きで脳脊髄液を
送り出していることを発見したと
されています。
起源
クラニオの起源としては、
オステオパシーから派生したものである
クラニアル・オステオパシーにあると
されています。
オステオパシーに関しては、
アメリカの医師である、
アンドリュー・テイラー・スティル
によって確立されました。
クラニアル・オステオパシーは
ウィリアム・ガーナー・サザーランド
というアメリカ人によって発展しました。
頭蓋の動き
それまでは頭蓋は縫合部で
ガッチリと繋がっていて、
動きはないとされてきました。
しかし、
サザーランドは縫合部分に対して
強い興味を持っており、
頭蓋の一部が魚のエラに
似ていると感じました。
このことから
呼吸との関連を思い浮かべて、
動きがあるのではないか?
と思うようになりました。
彼は研究の末、
頭部に圧をかけると身体や感情に
影響があることを確認。
頭蓋骨にある潮の満ち引きのような
ゆったりとした動き、
頭蓋骨の呼吸を発見しました。
彼の研究は最初は周囲から
認められませんでしたが、
少しずつ広まっていき
脳脊髄液の流れや頭蓋の動きは
重要なものであるといわれるように
なっていきました。
ようやく
幅広く受け入れられるようになった
クラニアル・オステオパシーの
様々なモデルを作り出した1人が、
ジョン・E・アプレジャーです。
クラニオ・セイクラル・セラピーも
その中の一つであり、
広がりをみせたのもアプレジャーの
力によるものが大きいとされます。